原発と原爆とともに

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ロナルド・ノックス著「神と原子」 カトリック思想 1946.11.25

日付 1946年11月25日
題名 ロナルド・ノックス著「神と原子」
作者 ロナルド・ノックス
掲載 カトリック思想 16(3) 第3号 季刊 p131
発行 上智学院出版部 
編集 大泉孝

原書 God and Atom, New York: Sheed & Ward, 1945

 

ロナルド・ノックス(Ronald Knox, 1888-1957)は、神学者で推理作家。G.K.チェスタトンの勧めで1917年にカトリックに改宗、1925年から推理小説を書きはじめる。1937年に断筆、司祭職に専念、最終階位は大司教。

 

栗林輝夫「原発とテクノロジーの神学」(関西学院大学キリスト教と文化研究13, pp37-78、2012.03.31.URL:http://hdl.handle.net/10236/8919)に簡単な紹介がある。「原子力は人の精神を荒廃させると警句を発したのは、イギリスのカトリック神学者ロナルド・ノックスである。核文明は、これまで以上に攻撃的で、自分の安逸さだけを気づかう個人主義を蔓延させるにちがいない。いつ戦争が勃発して原爆が炸裂するかもしれないとの不安は人に恒常的な緊張を強いる。核に閉じ込められていたエネルギーが一気に爆発するというのなら、それと同じことが人間の精神に起きても不思議はない。道徳の力で辛うじて押さえられていた人間の本能は、タガを失い社会に無政府主義をひき起こす。科学が人間の心に、抑制ではなく爆発のイメージを刻むのであれば、いったい誰が人に自制や節度を求めることができようか(R.ノックス『神と原子』)」(59ページ)



参照
占領期新聞・雑誌情報データベース

参考

Kirk Willis, “‘God and the Atom’: British Churchmen and the Challenge of Nuclear Power, 1945-1950,” Albion, Vol. 29, No. 3, Autumn, 1997, pp 422-457. ここではノックスのアトム論をふまえて他の宗教が原爆についてどう説明したのかを検証している。

 

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