原発と原爆とともに

「3.11」原発事故の後の時代を生きるための データベースを構築しています by 瀧本往人

今後70年は棲めぬ 毎日新聞 1945.08.23

日付 1945年8月23日

題名 今後70年は棲(す)めぬ

作者 不詳

掲載 毎日新聞(大阪本社版)

発行 毎日新聞社

形態 新聞記事

 

内容:

「今後70年は棲(す)めぬ 戦争記念物・広島、長崎の廃虚」

 

原爆開発計画に当たったハロルド・ジェイコブソン博士が、広島への原爆投下直後に述べた見解「実験からは原爆を浴びた地域の放射能は約70年は消えない。広島は75年近く荒廃の地となるだろう」(アトランタ・コンスティテューション、1945年8月8日付)が米通信社によって配信された内容。

 

*当内容については「原子爆弾の開発に多少関係のあった化学者であり、科学記者であったハロルド・F・ジェイコブソンがこのような発言を行った」とロバート・リフトン「ヒロシマを生き抜く(上)」(岩波現代文庫、2009年)123ページ)にも同じ説明がある。

 

「さらにジェイコブソンは、「ウランの分裂によって生じるガンマ線は、血液中の白血球を破壊し、白血病をもたらす」ともいっている。彼の言葉はたちまち世界に広がり、アメリカから広島に最初に届いた情報として、放射能汚染の存続期間についてとてつもない誤解を生むことになった。」(同、123-4ページ)

 

中国新聞は8月27日付で報道。

 

*この後、8月8日にはオッペンハイマーらがこの見解を否定する。それに伴いジェイコブソンも自分の見解を修正する(否定はしない)。


参考:

第6回報道と再びの災禍 被爆影響 手探りで伝える 台風襲来 また発行停止に(中国新聞)

 

ヒロシマを生き抜く〈上〉―精神史的考察 (岩波現代文庫)

ヒロシマを生き抜く〈上〉―精神史的考察 (岩波現代文庫)