原発と原爆とともに

「3.11」原発事故の後の時代を生きるための データベースを構築しています by 瀧本往人

HIROSHIMA John Hersey New Yorker 1946.08.31

日付 1946年8月31

題名 HIROSHIMA

著者 John Hersey 

掲載 New Yorker 

形態 ルポルタージュ 雑誌 

国別 米国


ヒロシマ」関連のなかで、世界的にもっとも読まれたルポルタージュ。

入念に行われたインタビューに基づき、当時の状況と心情が見事に描かれている。

 

当時31歳の著者は、「ライフ」と「ニューヨーカー」の記者として1946年4月に広島へ赴き、3週間のあいだに、6人の生存者を取材し、その内容を8月31日に「ニューヨーカー」にて発表した。

「ニューヨーカー」は雑誌であるにもかかわらず、「ヒロシマ」だけに全誌面が使われた。

この反響は凄まじく、新聞やラジオなど、さまざまなかたちで紹介され、各国語にも翻訳された。

私が知っているのは、バタイユがこのフランス語版を読んだということであるが、おそらく当時の欧米の知識人たちの大半は、この内容にふれていたのではないかと推察される。

 

また、「菊と刀」で知られる文化人類学者ルース・ベネディクトは「ネイション」誌において本書の「飾らない誠実さ」を賞賛している。



ちなみに登場するのは、以下の6人。

佐々木とし子
東洋製缶工場の社員。爆心から1.5キロ。

藤井正和 
医師。京橋川の近くにある自宅(藤井病院)にて被爆(爆心地から1.4キロ)。

中村初代
幟町在の仕立屋の未亡人。爆心より1.2キロ。

ウィルヘルム・クラインゾルゲ 
イエズ会ドイツ人司祭。通訳、案内人。幟町の教会で被爆(爆心地より1.3キロ離れたところ)。

佐々木輝文
外科医。日赤広島病院にて被爆(爆心地より1.5キロ)。

谷本清
牧師。流川に教会。市街の知人の家で被爆(爆心地より3.2キロくらい)

 

 

 

Hiroshima (Vintage)

Hiroshima (Vintage)

*後に刊行された増補版(登場する6人のその後を追う)

 

翻訳:

[asin:B000JBKZ3M:detail]

 

増補版の翻訳:

ヒロシマ

ヒロシマ

 

 参考

 

Life Under a Cloud: American Anxiety About the Atom

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